New album "Reminisce"

ニューアルバムの解説をしていきたいと思います。

9月21日〜10月13日という短い制作期間で作られた今作ではアナログ意識を保ちつつ現代的なデジタルエフェクトによる音像処理を目指して作った。

前作の"Present"は複数のギターエフェクトペダルを用いてカセットテープにステレオ入力した音を重ねて撮られた音に対し、今作はDAWへ直接モノラル録音された音をデジタル処理でステレオへと音を広げる加工を用いている。

1.Infinite
各トラックごとに異なる音の広げ方を用いることのきっかけになった曲。一つはリバーブを深くかけ、もう一つはディレイで左右に音を広げている。今作を通して言える事ですが、モノラルで録られた音のため中心にも芯がしっかり残った音像になっていると思う。
この曲を芯にアルバム作りはスタートしました。


2.Relay

1トラック一発録り。
あらかじめルーパーに記録させたドローンアンビエントなサウンドにエレハモのキャニオンディレイのフィードバックを発振する限界まで回して即興で音を足していった。今作の音作りでは一番気に入っている。

3.Reminisce

タイトルトラック。最後に録られた曲。ミニマルなフレーズの後ろにドローンアンビエントな音が広がる今作では"陽"にあたる音。
他の曲でも多く用いられたアホみたいに広げたステレオギターにモノラルギターを乗せる、という手法を用いた。2トラックそれぞれ一発録りの音を重ねた。

4.Cross

ほぼ区別のつかない音を処理を変えて3トラックに分けて編集された曲。曲名の通り音をクロスさせて作られている。意識して聞くと曲の始まりと終わりでは表情が変わっている事に気付くかもしれません。この手法は"Synesthesia"でも用いられた手法でもあります。編曲に困った時はこの手法を良く使います。だが今回はパンもオートメーションで振って、よりブラッシュアップされた音像処理になりました。

5.Unconscious 

何も考えずに作りました。アルペジオのループギターをエフェクトで変化させながら録った音と、淡めのメロディギターを乗せた曲。後半になるにつれメロディが主張してくるような曲にしあげました。中心の音より左右に振った音の処理にこだわりました。後半では右側にメロディ、左側に前半使用したフレーズの逆再生が使用されています。

6.Trigger

今まではギターで無理矢理に低音を出していた処理を見直してVolca KeyとVolca fmを使用して低音を意識して音を足した。ソフトシンセは今年はまだ使わないつもりです。来年から使おうか悩んでます。
かなり瞑想的で変化のない曲に仕上げました。作った本人にしかわからない程度の変化を足しています。何気に4トラックも使っていていますが作った本人にしか構成は分からない仕様になっています。

7.Drop

1トラック一発録り。まだアルバム制作を意識する前に録られた音。
ドローンやアンビエントといえども、やはりメロディ感を大事にしたいと常々思っていてこの曲でも影響が出ています。
ループフレーズにオクターブディレイを徐々にかけていくことで音像に変化を出しています。1.Infiniteも同じ手法を用いています。

8.Cause And Effect

3トラック。1広がったドローン的サウンド、2モノラル的メロディ、といういつもの手法にボイスを用いてメロディを足して作られた曲。アルバムのテーマである"追憶"という言葉が浮かんだきっかけの曲。アルペジオはテープがヨレるようなサウンドをエフェクターを用いて再現している。前作の音作りに近い音だが最後から2番目に録られた音。やっぱりテープサウンド好きなんですね。わかります。
余談ですがこれを録る前後に左手首を痛めて半音下げのチューニングを一音下げまで下げました。当然ピッチが安定しないんですけど適度にズレた音の方が左右に広がりやすいのでOKです。むしろ良い

9. Modern Dust

Dropと同時期に録られた音。1トラック一発録り。シマーリバーブの美しい響きをフューチャーした音。ルーパーにあらゆるエフェクトペダルを使用して多重録音にて仕上げた。以前はこの手法を用いると曲の終わり頃に音が破綻してる事が多くてボツになってました。落ち着きが出て、大人になったんですねぇ。

10.Developing

純粋なドローンを目指して作った曲。インプロによる1トラックを通常の物と逆再生の音を
重ねて編集して、後から中心にギターを足した。
DAWで表現すると
通常の音は中心に音を配置したのに対し、逆再生は左右に音を振った音作りになっている。
アンビエントな音作りに歪ませたギターを絡ませてより開放的な音作りを目指した。

11.Toy

1トラック一発録り。
ルーパーに記録されたフレーズにempressとエレハモのディレイを繋ぎ合計3つのディレイを曲中で変化させて録られた音。
アルバムを通して聞いていただいた人を深層意識から目を覚ます事を目的として最後に収録しました。
余談ですが妻が唯一「その曲良いじゃん」と認めてくれました。

ここまで見てくださりありがとうございます。
良ければこちらの記事もどうぞ。一年後に読んだら赤面必須の熱い記事を書きました。Place.や自身についてです。

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